日本山岳写真協会
2017年6月の月例会

ホーム  >  別館  >  2017年  >  2017年6月の月例会

  ●内  容: ドローンで拓く山岳・風景写真の新領域
●講  師: 写真家・林明輝氏
(協力:螢吋鵐魁次Ε肇ナー)
日本山岳写真協会 上ヶ平裕彦会員
●開催日時: 2017年6月29日(木) 18:30〜20:30
●開催場所: ハロー貸会議室・飯田橋

 
近年、ドローンと呼ばれる遠隔操縦の無人航空機が写真撮影にも活用され始めている。今回は、ドローンで作品づくりに取り組んでいる日本写真家協会(JPS)会員の林明輝氏を招き、活用の現状を語っていただいた。

ドローン利用のルール

本講演に入る前に、上ヶ平裕彦会員より、ドローンに関する基礎知識の説明があった。ドローンという言葉の定義、最近のドローンの特徴について説明の後、法規制を解説。
まず、守らなければならないのは、国土交通省が定める航空法だ。機体とバッテリーの合計重量が200グラムを超えるドローンは、無人飛行機のルールが適用される。
(国土交通省航空局発行「無人航空機(ドローン、ラジコン機等) の飛行ルール」)
大まかに言うと、夜間、目視外、地上高1500メートル以上や第三者距離30メートル未満、イベント上空、危険物輸送、物件投下を伴う飛行については、国土交通大臣の承認を得なければならない。
また、電波を利用した遠隔操縦には、電波法の遵守が必要だ。そのほか、環境省や自治体の規制(河川、公園等)、土地や建物の所有者(神社仏閣等)が定める禁止事項も、守らなければ条例違反や所有権の侵害に当たる。
そして、ドローンカメラは一般的な視覚の範囲外からも撮影できるため、プライバシー侵害とならないよう注意すること。 (総務省発行「『ドローン』による撮影映像等のインターネット上での取扱いに関わるガイドライン」)

なお、今後数年内には機体の技術革新に合わせて規制緩和が進むと予想される。(経済産業省発行「空の産業革命に向けたロードマップ 〜小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備〜」)

 
     
ドローン利用のルールを説明する上ヶ平裕彦会員
 
  
航空法での規制項目 (国土交通省 航空局 発行
「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」より)
 

ドローンによる作品づくりの現状

本講演として林明輝氏より、ドローンを活用した山岳写真・風景写真撮影の現状が語られた。
まず、ドローンは機体の能力仕様の範囲で使う必要がある。山岳地で特に問題となるのは耐風能力で、高度も問題になりやすい。画質面から35mmフルサイズ判のカメラを使おうとすると、相応の荷揚げ能力も必要になる。現時点ではカメラを別にした機体一式で80万円程度のものが必要だが、価格は年々下がっているとのこと。
カメラは、ミラーレス方式が軽量化に有利で、林氏が現在用いているのはソニーα7シリーズ機。レンズは、超広角域がドローン撮影では一番使いやすく、ソニーFEマウント用に最近発売された トキナー FiRIN 20mm F2 FE MF が性能的にも優れているという。
撮影地の規制については、山岳地の場合、林野庁(森林管理署)の許可も受けなければならない。申請にあたっては理由が必要で、北アルプスなどの国立公園内については、刊行物や放送番組制作など何らかの公共性がないと、現状は難しいようだ。
35mmフルサイズ判クラスでのドローン撮影は、機体を操縦する人とカメラを操作する人の2名で取り組む方が良い。機体など費用も要するので、数名の有志で共同出資しチーム運用することも検討すると良い。機体の操縦は、ドローンスクールで教わることもできるが、身近な練習場がないと、操縦感覚は維持できない。自由に飛ばせる場所は限られているので、それもまた課題になる。

講演とともに林氏の最新作品(写真および動画)も紹介された。ドローンならではの機動力が生み出す山岳風景の新たな映像美に魅了され、驚きと大きな可能性を感じさせるものとなった。

 
     
会場の様子 ドローンの操縦を説明する林明輝氏
 
     
FiRIN 20mm F2 FE MF レンズについて説明するケンコー・トキナー 田原栄一氏
 

     協会本部トップへ戻る      別館トップへ