日本山岳写真協会
2018年3月の月例会

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  ●内  容: ニコン新製品紹介
デジタル一眼レフカメラ D850
●講  師: ニコンカレッジ講師・プロ写真家 斎藤勝則氏
ニコンイメージングジャパン 河村信太郎氏
●開催日時: 2018年3月22日(木) 18:30〜20:30
●開催場所: ハロー貸会議室・飯田橋

 
ニコンのデジタル一眼レフカメラの紹介。2017年9月8日に新発売となった D850 と、純正RAW現像ソフト Capture NX-D の最新機能について、説明が行われた。

D850 は、撮像素子に有効4575万画素・ニコンFXフォーマット(35mm判フルサイズ)の裏面照射型CMOSセンサーを搭載している。前機種 D810 との最も大きな違いは、撮像素子が従来の表面照射型から新しい裏面照射型に変わったことと、画像処理エンジンが EXPEED 4 から EXPEED 5 に進化したことだ。
撮像素子の違いは、有効画素数の違い(3635万→4575万)に先に目が行ってしまうが、それよりも裏面照射型によってもたらされる効果のほうが大きな長所といえる。撮像素子上の配線層が受光ダイオードの裏側へ配置されることで、光を取り込む際に陰となる部分が減り画質が向上、また、レンズ周辺部で捉えた光など、素子面に対し斜めに入る光も劣化を抑えた取り込みが期待できる。さらに配線層にはこれまで難度が高かった銅素材の導入により、電気信号の読み出し高速化も図られている。裏面照射型は、スマートフォン内蔵カメラなど超小型撮像素子への導入が先行していたが、製造上の課題を乗り越えられたためか、いよいよニコンFXフォーマットの大型撮像素子でも実現することとなった。
画像処理エンジンは EXPEED 5 への進化により、連写速度が5コマ/秒から9コマ/秒(バッテリーグリップ使用時)まで上がっている。山岳写真の撮影でも、例えば飛翔するライチョウのように高速連写で捉えたいシーンがあり、ひとつのカメラで高速性と高画質を両立できる価値は大きいだろう。なお、画質面でも「高い鮮鋭感を保ちながら、滑らかでより自然な階調表現、鮮やかで抜けのよいクリアーな発色を実現」と EXPEED 5 のメリットが説明されている。
機能面では、先幕・後幕ともに電子シャッターを使用するサイレント撮影と、深度合成の素材を簡単に撮影できるフォーカスシフト撮影に注目したい。サイレント撮影は、例えば鉄道など動く被写体に対してはローリングシャッター効果での歪みは避けられないが、自然風景撮影にはほとんどデメリットを生じないだろう。機械シャッターを駆動させる必要がないためシャッター部品の摩耗を避けることができ、微振動でのブレ発生も抑えられる。フォーカスシフト撮影は手前から奥まで均等なパンフォーカス効果を期待できるが、自然風景の被写体では合成処理がうまくいかない場合もあり、風で木々の葉が動いたり雲が流れるようなシーンには使えないことが多いようだ。大判カメラのアオリ機構のような効果を求める場合には、PC NIKKOR などのシフト・ティルト機構が備わったレンズを推奨するとのこと。

純正RAW現像ソフト Capture NX-D は、本例会時点において Ver. 1.18.020 が最新版として公開されている。
まず、さまざまあるRAW現像ソフトの中から Capture NX-D を使う一番のメリットは、ニコン純正の画づくりを存分に追求できることである。Adobe Photoshopなど汎用のRAW現像ソフトの場合、カメラ自身が出力するJPEGファイルと同じイメージをRAW現像で得ることは難しいが、 Capture NX-D ならば、ニコンにより保証されたJPEGファイルがRAW現像でも得られる。また、露出やコントラストを変えても彩度を変化させない思想のため、階調と色調のバランスを見ながら追い込む作業を減らせることもメリットだ。
従来の Capture NX 2 との違いとして、RAW非破壊編集(サイドカーファイル方式)に対応したことも大きな特長である。従前のカラーコントロールポイント機能などを代替する操作方法も説明された。

 
     
会場風景 ズームレンズ装着と単焦点レンズ装着のD850
 
  
 
     
ニコンイメージングジャパン
河村信太郎氏
ニコンカレッジ講師・プロ写真家
斎藤勝則氏
 

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